研究課題
骨髄細胞が脳内のどの部位にどのような時間経過で進入し、どの細胞に分化するかを調べるため、GFP遺伝子導入C57BL/6マウスをドナー、C57BL/6マウスをレシピエントとしたシンジェニック骨髄移植を行い、その2週間、1、4、8ヵ月後にレシピエントマウスを固定し、免疫組織化学的手法にてドナー由来細胞を同定することを計画した。骨髄移植の方法として従来行われてきた静脈注射による移植法と、骨髄内骨髄移植法を比較することにした。本年度はキメラマウスのサンプルを全て作製し、現在ドナー由来細胞の分布、分化、数についての定量化を進めている。次に、骨髄細胞の脳への進入が加齢に伴いどのように変化するかを調べる目的で、GFP遺伝子導入マウスをドナー、C57BL/6(若齢、老齢)と老化促進モデルマウスSAMP10系統(若齢、老齢)をレシピエントとした骨髄内骨髄移植を行い、4ヵ月後に固定した。キメラマウスのサンプル作製はほぼ終了し、現在ドナー由来細胞の分布、分化、数に関する定量化を進めている。また、若齢C57BL/6をドナー、老齢SAMP10マウスをレシピエントとしたアロジェニック骨髄移植を骨髄内骨髄移植法にて行い、その数週間後に老齢SAMP10マウスに見られる記憶学習能低下が改善されるかどうかをモリス水迷路にて評価した。8-12ヶ月齢のSAMP10マウスに若齢C57BL/6マウスの骨髄を移植し7-10週間後にモリス水迷路を行ったが、学習が改善したとはいえなかった。末梢血を用いたFACS解析のデータから、移植後のT細胞の回復が良好ではないことが明らかになり、それが原因の一つと考えられた。来年度以降は、移植後のT細胞の回復を良好にすべく飼育環境などを工夫し、骨髄内骨髄移植によるSAMP10マウスの記憶学習能の改善を試みる予定である。
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