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2010 年度 実績報告書

ADPーリボシル化毒素 Cholix の毒性発現制御

研究課題

研究課題/領域番号 22790401
研究機関千葉大学

研究代表者

八尋 錦之助  千葉大学, 大学院・医学研究院, 特任准教授 (80345024)

キーワードADP-リボシル化毒素 / アポトーシス
研究概要

本年度は、コレラ菌の産生する新規ADP-リボシル化毒素Cholix toxin(以下、Cholix)による細胞致死メカニズムを明らかにすることを目的とした。Cholixは緑膿菌の産生する外毒素Exotoxin A (ETA)とアミノ酸配列において32%の相同性しか示さないにも関わらず、非常によく似た立体構造を有している。つまり、Cholixの毒性発現解析を行うことで、本毒素のみならず、ETAの関連する細胞致死,病態発現に必須な生体分子を明らかにすることができる。
まず、種々の以下の変異体(活性中心GluをAlaに置換したE581A、二つあるfurinの切断配列RXXR (225-228 aa, 320-323 aa)をAlaに置換したHK226/227AA, KP321/322AA)を作製した。これらの変異体は、HeLa細胞に対する細胞致死活性を失っていた。更に、furinの阻害剤、furinの発現をsiRNAで抑制した場合にも細胞致死活性は阻害された。以上のことから、Cholixの細胞致死活性にはfurinが関与していることが示唆された。次に、HeLa細胞に対するIC50は0.24μg/mlであった。この濃度はマウスの培養細胞と比較して非常に高く、この毒素がマウスに対して高い毒性を示す結果であった。
次に、CholixのHeLa細胞を用いた致死メカニズムを解析した。Cholixに依る細胞死はTunnel陽性のアポトーシスを引き起こし、カスパーゼ阻害剤により抑制された。更に、Bc12ファミリーであるBax/Bakの構造変化を伴う、チトクロームcの放出も確認された。カスパーゼ阻害剤で、この放出が阻害されたことから、カスパーゼ依存的なBax/Bakの構造変化を引き起こ,していると考えられた。Cholixによる初期のカスパーゼの活性化がどのような経路でBax/Bakの構造変化を引き起こしているか今後の研究課題である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] コレラ菌由来の新規外毒素が示す標的細胞致死活性2010

    • 著者名/発表者名
      小倉康平、八尋錦之助、野田公俊
    • 学会等名
      インターラボセミナー:Kingdomを超えて
    • 発表場所
      千葉大学真菌医学センター
    • 年月日
      2010-12-11

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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