研究課題
1.III型分泌機構とサルモネラ腸炎との関連非チフス性サルモネラによる腸炎に関わる3つのIII型分泌機構(鞭毛、SPI-1およびSPI-2)をそれぞれ欠失した3種類の変異株(ΔfliC、ΔSPI-1およびΔSPI-2)、またそれらの組み合わせの変異株(ΔSPI-1ΔSPI-2、ΔfliCΔSPI-1、fliCΔSPI-2およびΔfliCΔSPI-1ΔSPI-2)を作成し、マウス腸炎モデルの盲腸の炎症の程度を評価した。その結果、感染3日後の腸炎には鞭毛およびSPI-1が関わることを確認した。一方、感染5日後の腸炎では、SPI-2のみが関与することを明らかにした。2.腸炎に関わる新規エフェクターの同定サルモネラ腸炎に関わる新規エフェクターを同定するため、機能未知のエフェクタータンパク質について各種変異株を作成し、マウス腸炎モデルによりこれらエフェクターがサルモネラ腸炎に関わるか否かを明らかにすることを試みた。これまで、3種のエフェクター変異株についてマウス腸炎モデルによる解析を行ったが、腸炎に関わる新規エフェクターは同定されていない。しかし、SPI-1およびSPI-2の両方のIII型分泌機構より分泌されることが報告されているエフェクターSpvCがサルモネラ腸炎の抑制に関わることを明らかにした。SpvCはphosphothrenoine lyase活性を持ち、感染宿主のmitogen activated protein kinases (MAPKs)を不活化することが報告されている。現在、MAPKsの不活化と腸炎抑制メカニズムの関連性を詳細に解析している。
すべて 2010
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BMC Microbiology
巻: 10 ページ: 324