研究課題
若手研究(B)
近年、高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスには、ヒトに感染するものの、ヒト間では効率よく伝播していない。つまり、ヒト間の伝播には更なる適応が必要と考えられ、それに関わる変異の同定は重要である。本研究では、ウイルスのPB2タンパク質の591番目のアミノ酸変異が、H5N1ウイルスで起きるとヒト気管支上皮細胞でよく増えるようになり、マウスにおいて高い病原性を示すようになることを明らかにした。同時に、591番目のアミノ酸変異は、パンデミック(2009) H1N1ウイルスにおいても哺乳動物における効率のよい増殖に関与することを明らかにした。一方、ヒト分離H5N1ウイルスを正常ヒト気管支細胞に適応させたところ、哺乳動物における飛沫感染は観察されなかったが、様々な変異を獲得し、主にHAでの変異により、ヒト細胞での高い増殖能を獲得していた。本研究で見出した変異(とりわけPB2の591番目のアミノ酸変異)は、今後、分離されるインフルエンザウイルスのリスク評価をする際の分子マーカーとして重要であると考えられる。
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