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2010 年度 実績報告書

HIV潜伏感染モデル動物の構築と潜伏化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22790430
研究機関京都大学

研究代表者

蝦名 博貴  京都大学, ウイルス研究所, 助教 (60541951)

キーワード潜伏感染 / HIV / インテグレーション / ヒト化マウス / エピジェネティクス
研究概要

HAART(highly active anti-retroviral therapy)療法が発達した現在でも、エイズ根治は不可能である。その理由として、エイズの原因ウイルスであるhuman immunodeficiency virus (HIV)の潜伏感染が挙げられる。しかしながら、HIVが潜伏化するメカニズムは明らかになっていない。そのため、本研究はHIV潜伏感染決定メカニズムの解明を目的としている。
H22年度は、生体内におけるHIVの潜伏感染を再現するために、ヒト血液幹細胞移植マウス(ヒト化マウス)を用いた感染実験を行った。ウイルスは、LTRプロモーターよりウイルスの転写調節因子TatとGFPの発現のみを行う非増殖型HIVベクター(single round-HIV, SR-HIV)を用いた。SR-HIV感染2週間後のヒト化マウスの抹消Tリンパ球において、少数(1%以下)の恒常的GFP陽性細胞が検出された。また、感染マウスより分離した抹消リンパ球をCD3とIL-2の増殖刺激環境下で培養したところ、GFP陽性細胞の増加も確認された。すなわち、ヒト化マウス内で潜伏感染細胞が構築されている事が確認された。
また、これまでの培養細胞を用いたin vitroの研究によると、HIVプロウイルスの組込み位置がHIVの潜伏化のひとつの要因であることが明らかになっている。そこでH22年度はHIV感染ヒト化マウスの抹消Tリンパ球におけるプロウイルスの組込み位置解析を行うためのlinker PCR法の確立に成功した。
今後、本年度確立したプロウイルスの組込み位置決定法を用いて、HIV感染ヒト化マウス抹消血中の恒常的GFP陽性細胞、並びに、潜伏感染細胞におけるプロウイルスの組込み位置解析とエピジェネティクス解析によって、in vivo環境でHIVの潜伏感染を誘導する主要な原因を突き止める。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Identification of amino acids in the human tetherin transmembrane domain responsible for HIV-1 Vpu interaction and susceptibility.2011

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi T, Ode H, Yoshida T, Sato K, Gee P, Yamamoto SP, Ebina H, Strebel K, Sato H, Koyanagi Y.
    • 雑誌名

      J Virol.

      巻: 85 ページ: 932-945

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞内DNA修復システムによるレトロウイルスcDNA組込み機能の代償2010

    • 著者名/発表者名
      蝦名博貴、鈴木康嗣、金村優香、津村斐子、小柳義夫
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      ポートアイランド(神戸)
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] HIV cDNAのインテグラーゼ非依存性組込みとウイルス複製2010

    • 著者名/発表者名
      蝦名博貴、鈴木康嗣、金村優香、津村斐子、小柳義夫
    • 学会等名
      第58回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      あわぎんホール(徳島)
    • 年月日
      2010-11-07

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公開日: 2012-07-19  

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