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2011 年度 実績報告書

翻訳後修飾部位の変異体を用いたC型インフルエンザウイルスCM2蛋白の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22790439
研究機関金沢医科大学

研究代表者

大桑 孝子  金沢医科大学, 医学部, 助教 (20460347)

キーワードC型インフルエンザウイルス / CM2蛋白 / 翻訳後修飾
研究概要

CM2の翻訳後修飾がウイルス増殖に果たす役割を解明することを目的として、11位のAsnをAlaに置換したウイルス(rCM2-N11A)および1,6,20位のCysをAlaに置換したウイルス(rCM2-C1620A)を作製した。多段階増殖において、これらの変異組換えウイルスの増殖能は、野生型組換えウイルス(rWT)と此較して有意に低下した。しかし、感染細胞におけるウイルス蛋白質の合成に差はなからた。また、rCM2-N11A感染細胞で合成された糖鎖が付加していないCM2は、野生型と同じく2量体/4量体を形成し、細胞膜上に輸送された。一方、rCM2-C1620A感染細胞で合成されたCM2は量体を形成せず、細胞膜上への輸送が著しく低下していた。ことから、CM2の量体形成はCM2の細胞膜上への輸送に重要であることが明らかになった。
さらに、増殖の過程におけるCM2の糖鎖付加の役割を解析するために、ウイルス様粒子(VLP)を用いて解析を行った。N11A-VLPは、野生型VLP(WT-VLP)と比較してVLP当たりのゲノム(vRNA)コピー数が低下していた。このことから、CM2の糖鎖付加がゲノムのパッケージングに関与することが明らかになった。また、WT-VLP感染細胞と比較して、N11A-VLP感染細胞において初期の蛋白発現が低下していること、N11A-VLP感染後の細胞の核内へ移行したゲノムコピー数が減少していることがわかった。これらの結果は、CM2の糖鎖付加が、アンコーティングに関与することを示唆する。
これらの結果から、CM2の糖鎖付加および量体形成は、アンコーティングとゲノムのパッケージングの過程に関与し、C型ウイルスの増殖過程において感染性粒子の形成に重要な役割を果たしていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Palmitoylation of CM2 is dispensable to influenza C virus replication2011

    • 著者名/発表者名
      Muraki Y, Okuwa T, Furukawa T, Matsuzaki Y, Sugawara K, Himeda T, Hongo S, Ohara Y
    • 雑誌名

      Virus Res

      巻: 157 ページ: 99-105

    • DOI

      DOI:10.1016/j.virusres.2011.02.013

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reverse genetics analysis of the recombination in Theilovirus based on the infectious cDNA clones2011

    • 著者名/発表者名
      Himeda T., Nojiri M., Okuwa T., Muraki Y. and Ohara Y
    • 雑誌名

      J. Plant Pathol. Microbiol

      巻: 2 ページ: 4

    • DOI

      DOI:10.4172/2157-7471.1000112

    • 査読あり
  • [学会発表] C型インフルエンザウイルス感染性粒子産生におけるCM2蛋白の糖鎖付加の意義2011

    • 著者名/発表者名
      大桑孝子
    • 学会等名
      第48回細菌学会中部支部総会
    • 発表場所
      名古屋大学シンポジオンホール(愛知県)
    • 年月日
      2011-10-21
  • [学会発表] Glycosylation of influenza C virus CM2 protein affects the early phase of viral replication2011

    • 著者名/発表者名
      Takako Okuwa
    • 学会等名
      IUMS 2011 Sapporo
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • 年月日
      2011-09-13
  • [学会発表] C型インフルエンザウイルスのCM2蛋白糖鎖付加部位変異体の作製と解析2011

    • 著者名/発表者名
      大桑孝子
    • 学会等名
      第25回インフルエンザ研究者交流の会シンポジウム
    • 発表場所
      富山国際会議場(富山県)
    • 年月日
      2011-06-04

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公開日: 2013-06-26  

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