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2010 年度 実績報告書

麻疹ウイルスの極性上皮細胞感染機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22790445
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

田原 舞乃  国立感染症研究所, ウイルス第3部, 研究員 (10572109)

キーワード麻疹ウイルス / 上皮細胞 / 極性上皮細胞 / ワクチン / 受容体
研究概要

上皮間葉転換や間葉上皮転換を制御する転写因子、転写抑制因子の検索と導入について、5種類の転写因子を、レトロウイルスベクターを用いて上皮細胞へ導入した。このうち2種類の転写因子について恒常発現細胞を樹立した。これらの細胞は、麻疹ウイルス感染能が消失していることから、上皮間葉転換を起こしていることを確かめた。上皮間葉転換を起こした細胞に上皮受容体候補遺伝子群を発現させて、受容体の同定を試みたが、麻疹ウイルス感染効率を復活させる遺伝子は同定できなかった。また、上皮受容体候補遺伝子のshRNA発現細胞やドミナントネガティブ発現細胞を樹立したが、受容体同定には至らなかった。
また、極性上皮細胞を用いて、麻疹ウイルスHタンパク質のアミノ酸変化による抗原性の変化を解析した。Hタンパク質上には複数のantigenic siteがあるが、ウイルスの遺伝子型によって大きく変化しているantigenic siteと保存されているantigenic siteがあることが分かった。最も抗原性が高いantigenic site Iはよく保存されていたことから、麻疹ウイルスの単一血清型を決定する部分であると考えられた。一方、antigenic site I以外のエピトープは、一部の株で、すでに抗原性が大きく変化していると考えられた。これらの結果から、麻疹ウイルスは、今後も単一血清型でありつづけるであろうが、約半世紀前に分離された現在のワクチン株だけに依存していると、いずれ、ワクチン効果が低下する可能性があると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 麻疹ウイルスの抗原性変化2010

    • 著者名/発表者名
      田原舞乃
    • 学会等名
      第14回日本ワクチン学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-12-11
  • [学会発表] 麻疹ウイルス主要表面抗原Hタンパク質の抗原性変化2010

    • 著者名/発表者名
      田原舞乃
    • 学会等名
      第58回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      徳島
    • 年月日
      2010-11-08
  • [学会発表] ANTIGENIC VARIATIONS AMONG CURRENTLY CIRCULATING WILD-TYPE MEASLES VIRUS STRAINS2010

    • 著者名/発表者名
      田原舞乃
    • 学会等名
      第4回ATLANTA PARAMYXER
    • 発表場所
      アトランタ(アメリカ)
    • 年月日
      2010-10-29
  • [学会発表] ANTIGENIC VARIATIONS AMONG CURRENTLY CIRCUILATING WILD-TYPE-MEASLES VIRUS STRAINS2010

    • 著者名/発表者名
      田原舞乃
    • 学会等名
      2010 Negative Strand Virus Meeting
    • 発表場所
      ブルージュ(ベルギー)
    • 年月日
      2010-06-25
  • [図書] 化学療法の領域2010

    • 著者名/発表者名
      田原舞乃
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      ウイルスのリバースジェネティクス

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公開日: 2012-07-19  

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