研究課題
上皮細胞を用いて、麻疹ウイルスHタンパク質のアミノ酸変化による抗原性の変化を解析した。Hタンパク質上には6つのantigenic siteがあることが分かった。6つのうち3つのantigenic siteは全ての遺伝子型の株で保存されていた。これらの抗体からのエスケープミュータントを得ることに成功し、保存されているantigenic siteの場所を特定した。保存されているantigenic siteは、受容体結合部位そのもの、受容体結合部位近傍、H-F相互作用部位であった。これらはHタンパク質の性質を保持するために重要であることが分かった。このため自然界ではこの部位の抗体からエスケープするウイルスが表れる可能性が低いと考えられた。一方、残る3つのantigenic siteはウイルスの遺伝子型によって大きく変化していた。特に最近の流行株は糖鎖の付加によってantigenic siteIIの抗体から完全にエスケープしていた。これらのことから、麻疹ウイルスは、いつまでも単一血清型でありつづけるであろうが、多少なりとも抗原性のズレは生じていることが分かった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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