研究概要 |
(1)基本解析モデル モデル抗原をOVAとし、これに対するCD8陽性T細胞TCR-TgであるOT-Iをドナー細胞に、OVAを発現する組換えワクシニアウイルス(VV-OVA)等を感染因子に用いる。CXCR3KO×OT-I細胞とWT×OT-I細胞を野生型レシピエントマウスに共養子移入し、LM-OVA/VV-OVAを接種した後にCTL応答を解析する系を樹立した。 (2)CTL感染応答の「量」に関する制御 CTL数・分布解析:主要臓器から単核球を分離しフローサイトメーター(FCM)にてCXCR3KOおよびWT×OT-I細胞数を臓器別に定量的に比較し、CXCR3KO細胞がメモリー細胞に移行しやすいことを確認した。 (3)CTL感染応答の「質」に関する制御 (2)にてFCM解析を行う際に同時にCTL分化・成熟に関する既知の表面マーカー(CD27, CD28, CD43, CD122, CD127, KLRG-1等)を定量的に比較・評価した。また細胞内サイトカイン多重染色にて複数のサイトカイン等(IFNγ, TNF, IL-2, Granzyme B, Perforin等)の産生性を同時に測定し、単細胞レベルでサイトカイン多重産生性(=良質のCTL形成状態)を評価した。CXCR3KO細胞は質的にも良質のメモリー細胞表現型を示すことが明らかとなった。次年度に機序の解析を行う予定である。
|