リンパ組織における自然免疫依存症の動的免疫制御機構

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22790461
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 免疫学
• 研究機関: 独立行政法人医薬基盤研究所
• 研究代表者: 青枝 大貴 独立行政法人医薬基盤研究所, 創薬基盤研究部, 研究員 (10324344)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2011
• キーワード: 自然免疫

研究概要

インフルエンザワクチン及びインフルエンザ感染に対する獲得免疫誘導がどのような自然免疫反応に依存するのかを検討するため、関連するノックアウトマウスを用いて感染・免疫実験を行った。CD4T細胞や抗体誘導はTLR7に大きく依存していたが、IPS-1やASCには依存していなかった。また生ウイルス感染によるCD8T細胞誘導はいずれのノックアウトマウスでも正常だった。これらの結果は獲得免疫の誘導には自然免疫応答が重要であるが、抗体産生・CD4T細胞応答・CD8T細胞応答のそれぞれに必要な自然免疫応答は異なることを示唆しており、ワクチンによる獲得免疫誘導を考えた場合、獲得免疫に関与しない自然免疫反応はワクチンによる副反応の主体となっている可能性も考えられ、そのワクチンにとって適切な自然免疫を刺激することで効果と安全性を両立したワクチン開発の可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] 自然免疫と次世代ワクチン開発 (2012)
  • 著者名/発表者名: 青枝大貴,石井健
  • 雑誌名: Drug Delivery System 巻: 27巻1号 ページ: 19-27
• [雑誌論文] Innate and adaptive immune responses to viral infection and vaccination (2011)
  • 著者名/発表者名: Aoshi T, Koyama S, Kobiyama K, Akira S, Ishii KJ
  • 雑誌名: Curr Opin Virol 巻: 1(4) ページ: 226-32
  • DOI: DOI:10.1016/j.coviro.2011.07.002
  • 査読あり
• [雑誌論文] CD8α(+) dendritic cells are an obligate cellular entry point for productive infection by Listeria monocytogenes (2011)
  • 著者名/発表者名: Edelson BT, Bradstreet TR, Hildner K, Carrero JA, Frederick KE, KC W, Belizaire R, Aoshi T, Schreiber RD, Miller MJ, Murphy TL, Unanue ER, Murphy KM
  • 雑誌名: Immunity 巻: 35(2) ページ: 236-48
  • DOI: DOI:10.1016/j.immuni.2011.06.012
  • 査読あり
• [雑誌論文] ワクチンアジュバント (2011)
  • 著者名/発表者名: 青枝大貴,石井健
  • 雑誌名: 日本臨床 巻: 69巻9号 ページ: 1547-1553
• [雑誌論文] Plasmacytoid dendritic cells delineate immunogenicity of influenza vaccine subtypes (2010)
  • 著者名/発表者名: Koyama S, Aoshi T, Tanimoto T, Kumagai Y, Kobiyama K, Tougan T, Sakurai K, Coban C, Horii T, Akira S, Ishii KJ
  • 雑誌名: Sci Transl Med 巻: 2(25) ページ: 24-25
  • DOI: DOI:10.1126/scitranslmed.3000759
  • 査読あり
• [雑誌論文] ワクチンを考えるうえで必要な免疫の知識 (2010)
  • 著者名/発表者名: 青枝大貴,石井健
  • 雑誌名: 臨床検査 巻: 54巻11号 ページ: 1220-1229
• [学会発表] WS/PP-069-01 Plasmacytoid dendritic cells delineate immunogenicity of influenza vaccine subtypes (2010)
  • 著者名/発表者名: Aoshi T, Koyama S, Tanimoto T, Kumagai Y, Kobiyama K, Coban C, Akira S, Ishii KJ
  • 学会等名: 第14回国際免疫学会議
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 20100000
• [図書] マウス・ラット疾患モデル活用ハンドブック. 10章 生体防御機構-Toll-like receptorsノックアウトマウス (2011)
  • 著者名/発表者名: 青枝大貴,審良静男、石井健
  • 総ページ数: 182-199
  • 出版者: 羊土社
• [図書] アジュバント開発研究の新展開2.1インフルエンザウイルスの内因性アジュバント (2011)
  • 著者名/発表者名: 小山正平、青枝大貴
  • 総ページ数: 60-65
  • 出版者: シーエムシー出版