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2011 年度 実績報告書

DOCK2およびRacを介した好中球貪食の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22790469
研究機関九州大学

研究代表者

錦見 昭彦  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (70404019)

キーワード好中球 / 貪食 / マクロピノサイトーシス / 細胞骨格 / 低分子量Gタンパク質
研究概要

好中球は、細菌などの感染源にいち早く集積し、貪食や活性酸素産生を介してこれらを除去する、いわば生体防御の最前線で機能する免疫細胞である。好中球が異物を貪食したり、飲作用(マクロピノサイトーシス)により取り込んだりするにあたり、その形態を大きく変化させる。この時の形態変化に、低分子量Gタンパク質であるRacあるいはCdc42を介したシグナルによる細胞骨格の再構成が重要な役割を果たしている。前年度までに、好中球の貪食およびマクロピノサイトーシスのいずれにおいても、免疫系特異的に発現するRac活性化因子であるDOCK2が不可欠なこと、また、貪食にあたってDOCK2が食胞周囲に集積することを見出している。本年度は、DOCK2と同じくCDMファミリーに属し、免疫系に特異的に発現するCdc42活性化因子であるDOCK11を欠損したマウスを作製し、このマウス由来の好中球を用いて貪食やマクロピノサイトーシスを検討した。その結果、DOCK11欠損好中球は、走化性因子の刺激に応答したCdc42の活性化は障害されているものの、DOCK2欠損好中球と異なり、貪食およびマクロピノサイトーシスはいずれも野生型好中球と差は認められず、正常であった。これらのことから、好中球の貪食やマクロピノサイトーシスにおける細胞骨格の再構成、ならびにこれに伴う細胞形態の変化は、主にDOCK2を介したRacのシグナルが機能していることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] DOCK8 is a Cdc42 activator critical for interstitial dendritic cell migration during immune responses2012

    • 著者名/発表者名
      Harada Y, et al
    • 雑誌名

      Blood

      巻: (印刷中)

    • DOI

      10.1182/blood-2012-01-407098

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Blockade of inflammatory responses by a small-molecule inhibitor of the Rac activator DOCK22012

    • 著者名/発表者名
      Nishikimi A, et al
    • 雑誌名

      Chem.Biol.

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structural basis for mutual relief of DOCK2 and ELMO1 from their autoinhibited forms for Rac activation in lymphocyte chemotaxis2012

    • 著者名/発表者名
      Hanawa-Suetsugu K, et al
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA

      巻: 109 ページ: 3305-3310

    • DOI

      10.1073/pnas.1113512109

    • 査読あり
  • [学会発表] 免疫系特異的なRac活性化因子DOCK2を標的とした免疫抑制剤の開発2012

    • 著者名/発表者名
      錦見昭彦、田中芳彦、福井宣規
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2012-11-27
  • [産業財産権] DOCK2によるRac活性化を制御する低分子化合物及びその用途2011

    • 発明者名
      福井宣規, 錦見昭彦, 金井求, 神田大輔, 齋藤貴士
    • 権利者名
      九州大学, 東京大学
    • 産業財産権番号
      特許、特願2011-109334
    • 出願年月日
      2011-05-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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