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2011 年度 実績報告書

未熟T細胞受容体の自発的会合がもたらす生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 22790470
研究機関九州大学

研究代表者

石川 絵里  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (20546478)

キーワードT細胞分化 / リンパ球 / プレT細胞受容体 / 自発的シグナル
研究概要

本研究は、近年我々が提唱した「プレT細胞受容体(プレTCR)が荷電アミノ酸を介した自発的多量体形成により、リガンド非依存的にシグナルを誘導する」というモデルをin vivoで検証すると共に、この機構が実際にTCRの多様性獲得に寄与しているか否かを明らかにすることを目的としている。昨年度、我々は樹立した荷電アミノ酸を変異させたプレTCRα鎖(pTα)ノックインマウス(D22A/R24A/R102A/R117A)の解析を行った結果、当該マウスにおいてT細胞初期分化が障害されていることを明らかにし、未熟抗原受容体が電荷に依存してシグナルを伝達していることを、個体レベルで初めて証明した。
本年度は、当該マウスの解析を更に進めた。TCRβ鎖遺伝子再構成の抑制(allelic exclusion)における影響を調べたところ、ゲノムレベルでallelic exclusionが障害されており、タンパク質レベルでも2種類のTCRβ鎖を発現するT細胞の出現が顕著に認められた。また、T細胞初期分化が障害されている当該マウスを用いて、プレTCRの自発的シグナルが実際にTCR多様性獲得に寄与しているか否かを検討した。未熟T細胞の細胞表面染色により、TCRβ鎖レパトアを調べたところ、当該マウスでは野生型と比較して変化が見られた。更に、シークエンスにより100クローン前後のTCRβ鎖のアミノ酸配列を解析したところ、TCRβ鎖の多様性を生み出しているともいうべき配列部位(CDR3)について、野生型では様々な長さのものが比較的同程度あるのに対し、ノックインマウスでは偏りが見られた。以上の結果から、荷電アミノ酸を介した適切なプレTCRシグナルは、1個のT細胞がただ1種類のTCRを発現するという原則を担保していると共に、多様なTCRβ鎖の獲得と、適切なレパトアの形成にも寄与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] TCRレパトア形成におけるβ-selectionの意義2011

    • 著者名/発表者名
      石川絵里
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉)
    • 年月日
      2011-11-27

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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