◆GFP-IRES/DTRノックインマウスの作製 Mincle遺伝子の開始コドンに合わせてGFP-IRES/DTRを組み込んだノックインマウスのターゲッティングコンストラクトを作製した。共同研究先の岩倉洋一郎教授(東大医科研)の研究室にてES細胞にターゲッティングコンストラクトを遺伝子導入して、得られた489クローンをサザンプロットにより解析して、正しい相同組換えクローンを選抜した。選抜したES細胞を用いて凝集法により個体作製を行いキメラマウスを取得した。得られたキメラマウスをサザンプロットにより、正しい相同組み換えを確認し、C57BL/6Jマウスと交配してた。得られたF1をPCRによりジェノタイピングを行いgerm line transmissionを確認した。 ◆生理的条件下におけるMincle発現細胞の検出および欠損誘導 GFP-IRES/DTRノックインマウスから調整した、腹腔細胞、末梢血細胞、脾臓細胞、骨髄由来マクロファージをin vitroにおいてLPSで刺激することによりMincieの発現を誘導し、GFP発現を検討した。その結果、Mincle陽性細胞がGFP陽性になることが確認された。またジフテリア毒素を加えることにより、GFP陽性細胞が消失したことから、ジフテリア毒素受容体も発現していることが確認された。さらにLPSを尾静脈投与してin vivoにおいてMincleの発現を誘導したところ、マクロファージや好中球においてGFPの発現が認められ、これらの細胞はジフテリア毒素の投与により消失した。以上の結果より、Mincle発現細胞をGFPによりモニターし、さらにそれらをジフテリア毒素の投与により欠損させることのできるマウスが樹立できた。
|