◆結核菌構成成分による肉芽腫形成におけるMincle陽性細胞の検出 結核菌の細胞壁構成成分のひとつであるTDM (trehalose dimycolate)は古くよりコードファクターと呼ばれ、それ単独投与により、結核菌感染の特徴である肺胞肉芽腫形成を引き起こすことが知られている。我々はこれまでにこの肺胞肉芽腫を形成している細胞にはMincle陽性細胞が含まれることをin situ hybridyzationにより明らかにしている。そこで肺胞肉芽腫におけるMincle陽性細胞の役割を解明するために、昨年度に作製したMincle発現細胞をGFPによりモニターでき、さらにMincle陽性細胞を特異的に除去できるマウス(Mincle遺伝子座にGFP-IRES/DTRを組み込んだノックインマウス(Mincle-GIDマウス))を用いた解析を行った。Mincle-GIDマウスにTDMを尾静脈投与して、肺胞肉芽腫が十分に形成ざれた7日後に肺を回収し、コラゲナーゼ処理により肺胞肉芽腫に含まれる細胞を回収して、EACSにより解析を行った。その結果、肺胞肉芽腫に含まれる細胞の約80%はCD11b陽性CD11c陽性のミエロイド系の細胞であり、そのうち約30%がGFP陽性(Mincle陽性)であることが明らかとなった。またこのマウスを用いることにより、GFPを指標に、肺胞肉芽腫中のMincle陽性細胞を分取して機能解析を行うことが可能であることが明らかとなった。
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