岡山大学では平成19年度より女性医師支援制度を導入し、50名以上の女性医師が復職した。女性医師支援が医療現場にもたらしたアウトカムの評価を行い、さらに女性医療人支援の地域医療貢献に果たす役割について明らかにする。 (1)本学の女性医師支援制度のアウトカム評価 1)フォローアップ調査 対象:平成20-22年度に復職し、現在岡山大学病院に在職している女性医師26名。 方法:面談と質問紙による意識調査を施行。 結果:回収率は100%。所属科は内科5名、眼科4名、小児科3名、その他の科は1-2名であった。主な業務内容は外来16名、入院担当3名、外来助手3名などであった。今後の利用については、子育て・妊娠中の利用者のうち14名(63.6%)があと数年利用したいとの希望を持っていた。岡山大学病院での復帰支援制度は多くの診療分野で利用され、今後の拡充を期待されていることが示唆された。 2)新規導入した病児保育施設の実効性評価 対象:岡山大学病院ますかっと病児保育ルームの事前利用登録者110名。 方法:自記式の質問紙を用いた調査を施行。 結果:回収率は70.0%(77名)。事前登録者看護師40名(57.1%)が最多で、医師13名(18.6%)がそれに続いた。また、59名(77%)が事前に病児保育ルームの見学をしていた。また、事前登録者のうち院内保育園在籍者は24名(31%)であった。また、利用者の意見では、「スタッフの対応に満足、やや満足」とする人が57名(95%)であった。また、病児保育ルームの存在によって「安心して働けるようになった」と考える人は60名(77.9%)であった。病児保育ルームの設置によって、職員の働きやすさが改善したことが示唆された。 (2)本学の女性医師支援制度の他施設への適用と汎用性評価 地域拠点病院における女性医師支援制度の導入準備として事前評価(職員に対する意識調査)、啓蒙活動を行った。
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