岡山大学では平成19年度より女性医師支援制度を導入し、平成23年度末で67名の女性医師が復職した。女性医師支援が医療現場にもたらしたアウトカムの評価及び女性医療人支援の地域医療貢献に果たす役割について明らかにする。 (1)本学の女性医師支援制度のアウトカム評価 1)復帰支援制度の利用に関する調査 対象:復帰支援制度を利用した女性医師の受け入れを行った診療科の上司・同僚201名。 方法:質問紙による意識調査を施行。 結果:回収率は64.1%。回答者の属性は男性153人(76.1%)、女性46人(22.9%)、30-39歳が113人(56.2%)と過半数を占め、上司110名(54.7%)同僚90名(44.7%)であった。「復帰支援制度を知っている」と回答したのは174人(86.6%)であった。本制度の有用度について、「復帰医師にとって有用である」と回答したのは175人(87.1%)であった。また、「職場にとって有用である」と回答したのは153人(75.6%)であった。「復帰医師のキャリア形成に役立つ」と回答したのは141人(70.6%)であった。一方で、「制度に甘えている復帰医師が目立つ」と回答したのは23人(11.5%)であった。また、「復帰医師は自らの職務遂行のみならず職場への貢献ができている」と回答したのは99人(49.2%)であった。岡山大学病院の復帰支援制度は制度利用者のみならず、職場の上司、同僚からも高い評価を得ていると考えられた。一方で、真に復帰医師のキャリア形成を促すために更なる工夫が必要であることも示唆された。 2)新規導入した病棟保育士制度に関する実効性評価 平成23年度より小児科病棟に導入した病棟保育士制度に関する実効性評価を行った。 (2)本学の女性医師支援制度の他施設への適用と汎用性評価 地域拠点病院における女性医師支援制度の導入準備として事前評価、啓蒙活動を行った。
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