「インフォームド・コンセント」において、病態説明に対する患者側の理解や解釈は多様であり、「医療者側と患者側の溝」という課題が残る。当施設ではこの課題を解消すべく、京都精華大学芸術学部マンガ学科と共同で病状説明用漫画「くも膜下出血」と「脳出血」を作成し、患者とその家族への病状説明に使用してきた。本研究では、これらの病状説明用漫画を用いた病状説明に対する患者さんとその家族の「満足度」と「マイナス評価」をアンケート調査し、その有用性を実証する事と、調査結果から得られたその特性と患者側のニーズをフィードバックし、新たに他疾患の「病状説明用漫画」の作成を行う事を目的として研究を進めてきた。H24年度でアンケート調査を終了し,本年度はその結果解析,ならびに学会発表準備,並びに論文作成を行った.学会は国際学会2カ所,国内1カ所でEuropean Stroke Conference London 2013(H25年5月28日-31日,ロンドン),23th meeting of the European Neurological Society(H25年6月8日-11日,バルセロナ)第11回日本臨牀医療福祉学会(H25年8月30日,31日,松本市)での発表を行った.特に国際学会では本演題に関する質問が相次ぎ本研究の,特に海外での高い反応が得られた.ここで,漫画に関する字数,絵の量などが,患者の理解度にどのように影響するかが議論なされ,今後の研究課題として新たな知見が得られた.
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