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2011 年度 実績報告書

傷害脳内への骨髄由来間葉系幹細胞の高効率送達に基づく細胞治療

研究課題

研究課題/領域番号 22790508
研究機関北海道大学

研究代表者

片山 貴博  北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (90399957)

キーワード骨髄間葉系幹細胞 / 血管内皮細胞 / 血液脳関門 / 細胞治療 / in vitro BBBモデル / 脳細胞傷害 / MAPキナーゼ
研究概要

本研究では、循環血から脳内への骨髄間葉系幹細胞(MSC)の高効率送達を最終目標に、MSCの血液脳関門(BBB)通過機構の解明を目指した。昨年度は、MSCのBBB通過機構を解析するためのインビトロ評価系を構築して、MSCが傍細胞経路で脳微小血管内皮細胞(BMEC)層を通過することを示した。今年度は、MSCのBMEC層通過へのMAPキナーゼ(MAPK)の関与を検討した。まずは、細胞培養インサートの膜上にBMECを培養し、upperチャンバーにMSCを添加するという昨年度構築した評価系を用い、MSCのBMEC層通過へのMAPK阻害薬の作用を調べた。MEK阻害薬はMSCのBMEC層通過を増加させた。一方で、p38MAPK阻害薬存在下ではBMEC層を通過するMSC数は減少した。次に、BMECからなるインビトロBBBモデルを用い、そのバリア機能へのMAPK阻害薬の効果を経内皮電気抵抗値(TEER)を指標として検討した。その結果、MEK阻害薬はTEERを減少させ、逆にp38MAPK阻害薬はTEERを上昇させた。すなわち、MEK阻害薬はバリア機能を低下させ、p38MAPK阻害薬はバリア機能を増強した。続いて、MSCのみを用いてMSCの遊走能に対するMAPK阻害薬の効果を検討したところ、両阻害薬ともにMSCの遊走を抑制した。以上の結果から、少なくともMEK阻害薬に関しては、BMEC存在下ではMSCへの直接的作用よりもBMECへの作用の寄与が大きく、BEMC層のバリア機能を低下させた結果としてMSCのBMEC層通過を増加させた可能性が示唆された。さらなる詳細な検討が必要であるものの、本研究成果は、幹細胞や白血球などの脳内浸潤機構をインビトロ実験系で評価する際には、遊走細胞のみを用いた遊走実験だけでなく、BMEC存在下での遊走能の評価が重要であることを示唆している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Mesenchymal stem cells transmigrate across brain microvascular endothelial cell monolayers through transiently formed inter-endothelial gaps2011

    • 著者名/発表者名
      Matsushita T., Kibayashi T., Katayama T., Yamashita Y., Suzuki S., Kawamata J., Honmou O., Minami M., Shimohama S
    • 雑誌名

      Neurosci. Lett

      巻: 502 ページ: 41-45

    • DOI

      DOI:10.1016/j.neulet.2011.07.021

    • 査読あり
  • [学会発表] 骨髄間葉系幹細胞の血液脳関門通過機構における動態解析2012

    • 著者名/発表者名
      片山貴博
    • 学会等名
      第85回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2012-03-14
  • [学会発表] Mesenchymal stem cells transmigrate across brain microvascular endothelial cell monolayers through the transiently formed interendothelial gaps2011

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Katayama
    • 学会等名
      Neuroscience2011, Society of Neuroscience 41st annual meeting
    • 発表場所
      Walter E.Washington Convention Center (USA)
    • 年月日
      2011-11-14
  • [学会発表] In vitro血液脳関門モデルを用いた骨髄間葉系幹細胞の動態解析2011

    • 著者名/発表者名
      木林達也
    • 学会等名
      第62回日本薬理学会北部会
    • 発表場所
      江陽グランドホテル(宮城県)
    • 年月日
      2011-09-29
  • [学会発表] インビトロ血液脳関門モデルを用いた骨髄間葉系幹細胞の脳実質内浸潤機構の解析2011

    • 著者名/発表者名
      片山貴博
    • 学会等名
      第54回日本神経化学会大会
    • 発表場所
      瑠璃光(石川県)
    • 年月日
      2011-09-27
  • [学会発表] 骨髄間葉系幹細胞の脳実質内浸潤機構の解析2011

    • 著者名/発表者名
      松下隆司
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-09-15
  • [学会発表] In vitro血液脳関門モデルを用いた骨髄間葉系幹細胞の動態解析2011

    • 著者名/発表者名
      木林達也
    • 学会等名
      日本薬学会北海道支部第136回例会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • 年月日
      2011-05-21

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公開日: 2013-06-26  

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