本研究では、がん化学療法における医薬品使用の安全性を確立することを目的として、抗がん薬と漢方薬を含む併用薬の使用実態を調査し、併用される漢方薬が抗がん薬の安全性に及ぼす影響を評価した。その結果、paclitaxelまたはirinotecanを使用した患者においてCommon Terminology Criteria for Adverse Events v4. 0のgrade3以上の血小板減少の発現と大建中湯または半夏瀉心湯の併用にそれぞれ有意な関連性が認められた他、一部の漢方薬の併用が骨髄抑制、電解質異常、肝機能検査値異常等の発現に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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