研究概要 |
わが国の年間の原発性肝細胞癌による死亡者数は3万人を超え早期診断体系において、現在利用されている腫瘍マーカー(AFP, AFP-L3, PIVKA-II)はその診断効率において超音波検査などの画像診断に及ばないのが現状であり、新たなマーカーの探索が急務である。今年度の研究計画として原発性肝細胞癌の新規腫瘍マーカー候補N型糖タンパク質・ペプチドを探索し・同定を目的としている。 (1)血清の糖ペプチド解析:原発性肝細胞癌患者術前後血清20組(計40検体)を使用し、MB-LAC ConA, MB-LAC LCA (Bruker Daltonics社)を使用し、N型糖ペプチドを抽出後、逆相HPLCにより30フラクション分画した。各フラクションをMALDI-TOF MSで測定し、発現解析を行った。術前後に12ピーク統計学的有意差(p<0.05)が認められた。各マーカー候補ペプチドの同定を進めている。 (2)血清中のN型糖タンパク質解析:原発性肝細胞癌患者術前後血清20組(計40検体)を使用し、血清中のメジャータンパク質12種類を除去し、MB-LACConA, MB-LAC LCA (Bruker Daltonics社)を使用し、N型糖タンパク質を抽出後、逆相HPLCで分画した各フラクションを二次元電気泳動で解析した。術前後に42スポット統計学的有意差(p<0.05)が認められた。各マーカー候補タンパク質同定を進めている。
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