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2011 年度 実績報告書

臨床検査法として有用なトリグリセリド測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22790527
研究機関岡山大学

研究代表者

臼井 真一  岡山大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (50346417)

キーワード脂質 / リポタンパク質 / 生化学検査
研究概要

昨年度の実験では,測定の第一反応で作用するTG加水分解酵素にコレステロールエステラーゼ(CE)を用いることで各種リポタンパク質に対する反応性に違いが生じる可能性が示唆された。今年度はHDL中のTG測定に焦点を絞り,研究計画書に沿って実験を進めた。
(1)界面活性剤を用いた検討
CEを使用する測定系に各種界面活性剤を共存させ,HDL-TG測定を試みた。その結果,非イオン性界面活性剤であるエマルゲンA60,エマルゲンB66,エマルゲンLS114が候補にあがり,さらに,これらの界面活性剤の組み合わせとCEの種類を検討した結果,Pseudomonas由来のCEであるCOE-311(東洋紡)と0.8%A60,1.6%B66,0.8%LS-114を同時に用いた場合,HDL分画の発色率が80%,nonHDL分画の発色率が12%と良好な結果であった。
(2)HPLCを用いた検討
上記(1)で調べた試薬をゲル濾過カラムからの溶出液に直接オンライン注入し、その溶出パターンから試薬の反応性を確認した。その結果、HDLの溶出位置に明瞭なピークが確認でき良好な結果が得られた。
(3)他法との相関
同意が得られた血清(n=26)について,沈殿法で分離したHDL分画のTG値(従来法)と比較して本法の定量性を評価した。本法の測定値(12.7±2.5mg/dL)は従来法の測定値(12.0±2.5mg/dL)と有意な差は認められなかったが、相関係数が予想よりも小さかった(r=0.636)。しかし,血清総TG値やHDL-C値などの他の脂質値に依存したバイアスは認められなかった。
以上のことから、本研究はリポプロテインリパーゼ活性を有するCEと適切な界面活性剤の使用により,HDL-TGの選択的測定が可能であることを示唆しており,さらなる改良を加えることで臨床検査法としての実現が期待される。

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公開日: 2013-06-26  

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