研究概要 |
昨年度施行した福井県における自閉症のきょうだい支援の現状と必要性に関するアンケート調査を行い、その結果を第53回日本小児神経学会総会で報告した。福井県自閉症協会の協力を得て、多職種の専門家(小児科医、臨床心理士や教諭など)による「きょうだいの会」を設立し、自閉症児のきょうだい児に対する支援活動を行っており,本年度は、きょうだい児5名に対して1年間に4回の支援活動を行った。平成23年9月に、福井大学子どもの発達研究センターキックオフシンポジウムで、「自閉症児のきょうだい支援の必要性と実際」に関するシンポジウムを行った。 発達障害の客観的診断や病態把握に有用なバイオマーカーの開発として,発達障害児とそのきょうだいに対する酸化ストレスの影響についての研究と発達障害児における脳波異常の違いや脳波検査の有用性に関する研究を行った。自閉症や注意欠陥多動性障害といった発達障害児の尿中酸化ストレスマーカーを計測し、約30%の症例で健常対象と比べ有意に脂質酸化ストレスが亢進していることを報告した(Redox Rep,2011)。自閉症や注意欠陥多動性障害の小児例の脳波を計測し、発達障害の特性と脳波異常との関連について検討を行ったところ、脳波異常の部位や種類を組み合わせて多変量解析を行うことにより、自閉症と注意欠陥多動性障害の鑑別に有用であることを報告した(Brain Dev, in press)。
|