研究概要 |
本研究は藤原京スタディの参加者を対象に、1)15D(健康関連QO尺度)の日本語版の開発と、2)歯周病と認知機能障害との関連を検討するものである。 【実施内容】 1)平成23年1月に藤原京スタディの参加者4,388名を対象とし、日本語版15D(健康関連QOL尺度)を含む調査票を発送した。平成23年度は回収した調査票のデータ入力と単純集計を行った。 2)平成24年2月~12月にかけて藤原京スタディの5年目の追跡健診(対象者数4,336名)を実施する。歯周病の重症度・現在歯数と新規の認知機能障害の発症との関連を検討する予定である。 【意義,重要性】 1)大規模な集団から得られた回答の分布,天井効果,床効果の有無などの確認が必要である。 2)国内外において、歯周病と認知機能障害との関連を検討した縦断研究はほとんどない。 【結果】 1)郵送法による調査票の回収率は89.8%であった。性活動を除く14項目において、回答が最も良い状態(レベル1)に偏り、レベル1と2を選択した者の割合は90%を超えた。特に、聴力、食事、話し、排泄、日常活動においてレベル1と回答した者の割合は80%を超え、天井効果が見られた。性活動に対する未回答率は男性で9.4%、女性で35.5%であった。性活動以外の14項目の未回答率は5%未満であった。5歳年齢階級別(65-69歳・70-74歳・75-79歳・80-84歳・85歳以上)にみると、いずれの項目も年齢とともにレベル1を選択した者の割合は低くなったことから、選択肢の日本語訳は適していると考える。 2)現在データ収集中であるため解析結果の報告は平成25年度になる見込みである。
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