研究課題
【目的】歯周病は歯周ポケットへの歯周病原菌の持続感染による慢性炎症病巣である。本研究の目的は、歯周病と軽度認知障害との関連を明らかにすることであった。【研究デザイン】症例対照研究。【対象者】2007年のベースライン健診時点で、奈良県在住の独歩可能な65歳以上の高齢者で、認知機能検査において「健常」と判定された899名を対象とした。899名のうち、2012年の追跡健診で「軽度認知障害」と判定された者は190名(症例群)、「健常」であった者は709名(対照群)であった。【方法】Mini-Mental State Examination (認知機能検査)、Geriatric Depression Scale短縮版(抑うつ状態)、脳卒中・高血圧・糖尿病・脂質異常症の既往の有無、喫煙習慣、アポリポタンパクE遺伝子の一遺伝子多型であるapoEε4 allleの保有の有無、歯の残存本数(歯周病の代替指標)を調査した。多変量ロジスティック解析では、これらの変数を独立変数とし、軽度認知障害を従属変数に投入し、残存歯数の調整済みオッズ比を算出した。【結果】残存歯数25-32本に対する17-24本、9-16本、8本以下の調整済みオッズ比は1.99(95% confidence interval; 1.29-3.08)、1.57 (0.88-2.82)、1.80 (1.08-3.01)で、17-24本と8本以下において有意な関連がみられた。apoEε4 allleの有無と残存歯数9本以上/8本以下で4群に分けると、apoEε4 allle (-)かつ残存歯数9本以上に対して、apoEε4 allle (+)かつ残存歯数8本以下のオッズ比は2.74 (1.22-6.14)であった。【結論】apoEε4 allleと残存歯数が少ないことの重複が軽度認知機能と有意に関連していた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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