本研究は、歯牙喪失と認知機能障害との関連を検討することを目的とした前向きコホート研究であった。また、包括的な健康関連QOL尺度(15D)の日本語版も開発した。対象者はベースライン時点で地域在住の自立高齢者4427名であり、本研究期間中に5年次追跡健診を実施した。 共変量の影響を調整しても、無歯顎の状態、少数残存から無歯顎へ移行することと軽度認知機能障害との間に有意な関連がみられた。日本語版15Dは短時間での記入が可能である点、15Dと生活機能との間に有意な関連が見られたことから、15D日本語版の受容性と妥当性は十分なレベルと考える。
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