わが国で唯一の全国規模の1型糖尿病患者のコホートを長期追跡し、これまで明らかにされていない1型糖尿病患者の長期予後と死因を調査することを本研究の目的とした。1965~1979年に18歳未満で1型糖尿病と診断された1387例(男性556、女性831例)が本研究に登録されている。今回の調査対象は、このうち、2005年の調査で生存が確認されている1081例である。 2005年のアンケート調査で回答が得られた症例については、主治医にアンケートを郵送し、各症例の生存状況を確認することとした。その結果、死亡したことが明らかとなった場合は、死因についても確認することとした。 平成23年(2011年)度は、主治医に対するアンケート調査を行った。東日本大震災直後であったため、東北地方への送付は控えた。平成23年7月に、675例分のアンケート調査用紙を送付し、498例分の回答を得た(回答率73.7%)。498例の内訳は、通院中:348例、転院:82例、不明:57例、死亡:11例であった。 また、アンケート調査では生存状況を確認できず、戸籍・住民票でしか追跡ができない症例を追跡し、さらに、死因の情報を主治医より得られない場合などの死因を特定するために、平成23年4月に東京法務局長宛に「学術研究を目的とする戸・除籍謄本の交付並びに死亡届書に添付された死亡診断書の記載事項証明書交付の承認申請書」を提出した。平成24年3月19日付で法務省より認容を受けた。 平成24年度は、転院された82例のアンケート調査を転院先に行うと同時に、未回答の177例についても、再度アンケート調査用紙の送付を予定している。また、東北地方にも調査用紙を送付することとする。さらに、法務省からの認容を得たため、戸・除籍謄本の交付を必要とする症例について、各市町村宛に郵送にて交付申請を行う予定である。
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