研究概要 |
本研究の目的として,まず,平成22年度においては,正常発達を認める小児において,統計的手法である判別分析などを用いて体動から睡眠深度を推定する推定式を構築し非接触型睡眠診断法を確立する(平成22年度)ことを目的としていた. 正常発達を認める小児35名に対し,ビデオカメラを用いて,睡眠中の体動を計測すると同時に,睡眠深度の比較のために,ECG,EOG,EEG,Chin EMGを計測した.ただし,画像データへの両親の写り込み,OSASの疑いのある症例の除外を行った結果,解析に使用できるデータは12例となった. ビデオカメラの差分処理データをもとに,各種体動変数を抽出した.これらのパラメータを独立変数,PSGで得られた睡眠深度を目的変数とすることで,判別分析を行った.PSGで得られた睡眠深度と体動データから推定した睡眠深度を3段階(Wake,Light & REM,SWS)で比較した.睡眠変数についても同様に比較を行った.この解析により,睡眠中の体動からおおよその睡眠深度の推移を推定できることが示された.また,「余波睡眠潜時」「睡眠効率」の誤差が小さいことから,完全非接触型センサによる睡眠評価の可能性を示した.
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