研究課題
がん化学療法が進歩し生命予後が改善するに従って、がん化学療法による認知機能障害が出現し生活の質(QOL)が低下することが問題となっている。長期予後が期待できる反面、がんを抱えて生きる人(サバイバー)も増加し、2015年には500万人を越え、今後さらに増加すると見積もられる。がん化学療法が引き起こす認知機能障害を把握し対応することは緊急の課題である。がん化学療法が認知機能障害を引き起こす機序として、酸化ストレス反応や微小循環障害による中枢神経系の間接的な障害仮説が提唱されているものの、画像的にも生理学的にも検討した報告はない。そこで本研究では、がん化学療法が中枢神経系にどのような影響を与え、どのような認知機能障害を誘導するかを、磁気共鳴画像(MRI)を用いて形態画像および代謝変化をあわせて評価することを計画した。本研究は、がん化学療法が慢性的な中枢神経障害を引きおこすメカニズムを解明する初めての研究となる。また、同時に責任部位を同定することができ、病態機序を初めて検討できるようになる。本年度は、癌化学療法治療後1年を追跡して神経心理学的検査を施行し、認知障害の程度とその経過を縦断的に評価するMRI測定系の整備を進め、特にMRSによる代謝変化を測定し、化学療法による脳内代謝変化を非侵襲的に評価する測定系を構築した。同時に乳腺外科と協力し、乳がん患者の術前化学療法、ならびに術後化学療法(どちらもAC+Taxaneのレジメン)を対象とした調査計画をたて、施設内の倫理審査委員会に諮った。
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