本研究は食事を介した認知機能の低下予防を目的とし、地域在住中高年者を対象とした長期縦断疫学調査から、脂肪酸と認知機能との関連について検証するものである。脂肪酸摂取量(45種)、および血清脂肪酸濃度(24分画)を用い、認知機能との関連を詳細に検討し、認知機能に影響を与えうる脂肪酸の絞り込みを行った。その結果種々の脂肪酸の中でも、血清中ドコサヘキサエン酸(DHA)濃度が低い群では10年後の認知機能低下リスクが高いことを見いだした。また、食事由来のDHA摂取と血清DHA濃度には正の相関があることより、DHAを多く含む青魚等の摂取により認知機能低下を予防しうる可能性があることを見いだした。
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