研究概要 |
結核患者から分離培養された結核菌株の遺伝多型解析は,患者間の伝搬経路推定に役立てられている。本課題では広域的に分離される2種類の遺伝型(pECT04, 07)に着目し,計12株についてゲノム比較を実施した。結果, pECT07では菌株間の近似性は必ずしも由来地域に相関せず,多地域間での複雑な伝搬様式の存在が示唆された。一方, pECT04では, pECT07と比較して固有変異が多数見いだされ,菌株間に隔たりがあると考えられた。本結果は,現行の遺伝型で同一と考えられる菌株においても,ゲノム比較によってより詳細な感染源調査が可能であることを示している。
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