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2011 年度 実績報告書

ノルエフェドリンによる細胞毒性機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22790594
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

船越 丈司  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40444715)

キーワードオートファジー / ノルエフェドリン / 覚醒剤原料
研究概要

エフェドリン類は、漢方薬である「麻黄」に含まれる成分であり、長年にわたって血管収縮剤として一般市販薬の鼻炎薬、風邪薬等、あるいは脱法ドラッグの成分として使用されてきた。しかしながら、エフェドリン類服用患者において、脳出血、肝機能障害、精神障害など多くの副作用に関する症例報告があるが、現在もエフェドリンによって誘導される細胞死シグナル伝達経路の詳細は明らかとなっておらず、その細胞毒性の詳細な作用機序も未だ明らかとなっていない。そこで本研究では、ヒトSH-SY5Y細胞を神経細胞様に分化し、ノルエフェドリンを暴露することで神経細胞に対する毒性を検討してきた。その結果、ノルエフェドリンを暴露させると、顕著な細胞死が誘導、細胞内に多数の空胞の形成、オートファジーマーカーであるLC3-IIの顕著な増加がみられた。またリソゾームマーカー蛋白質であるLAMP1が形成される空胞に局在していることが観察されたことから、形成される空胞がリソゾーム由来であることが明らかとなった。本年度はさらに形成される空胞とオートファジーとの関連を検討するため、電子顕微鏡による観察を行ったところ、オートリソソームと思われる消化物を内封する空胞と、内容物の無い空胞が散見された。また酸性オルガネラを検出するacridine orange染色を行ったところ、形成された小さな空胞の大半が酸性であったが、巨大化した空胞は酸性を呈しておらず、またリソゾーム内蛋白質分解酵素であるCathepsin Lの活性が顕著に低下していることが明らかとなった。そこでノルエフェドリン処理による細胞毒性とオートファジーの関与をより詳細に検討するため、オートファゴソーム形成の阻害剤であるwortmannineとリソソーム阻害剤であるBafilomycinAlを処理した細胞にノルエフェドリンを処理すると、wortmannineを前処理した細胞ではノルエフェドリン単独処理に比べ、細胞死がより早く誘導され、一方でBafilomycin前処理を行った細胞では細胞毒性が抑制されることが明らかとなった。これらの結果からノルエフェドリンによる細胞死はオートファジーを誘導する一方でリソソームに障害を起こし、オートファジーの完結を阻害し細胞毒性をしめすことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      http://www.tmd.ac.jp/med/legm/kenkyu.html

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公開日: 2013-06-26  

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