熱暴露およびオレイン酸静注によって生じた急性肺傷害において、肺組織で炎症関連サイトカインIl-1β、IL-6、TNF-α、MIP2、IL-10は短時間で誘導された。また、IL-1βは熱暴露後のオレイン酸静注で相乗的に増加した。すなわち、肺脂肪塞栓による急性肺傷害は先行する病態の程度によってその程度が変化する可能性が示唆された。一方、急性肺傷害に関与しているvegfa、tgfb1、gm-csfの各mRNAは短時間で上昇し、蛋白レベルでTGF-β1の上昇が認められた。これらの蛋白は短時間で死亡した事例における全身状態の指標として利用できる可能性がある。
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