研究概要 |
心理的虐待の動物モデルである長期拘束ストレスマウス及び小児虐待死剖検例において,視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA axis)の変動を解析した。動物実験,剖検例いずれも比較的短期間のストレスでは,糖質コルチコイドを産生するため副腎が肥大し,副腎内コレステロールが減少し,副腎へのコレステロール供給に関わるSR-BI, HMGR, HSLの副腎内の発現が増加していた。以上の結果から,副腎内分泌系の変動を解析することは小児虐待の法医病理学的診断及び虐待期間推定の指標となり得る可能性が示唆された。
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