犯人が「接触した」と考えられる部位からの効率的なDNA型鑑定の実施を目的として、抗菌ペプチドdermcidin(DCD)およびpsoriasinを指標とした積極的汗垢証明法の開発およびそれらの検出量とDNA型検出率との関連性について検討を行った。その結果、DCDが法科学的資料における積極的な汗垢証明の指標として応用できる可能性が確認された。しかし、汗垢試料におけるDCDの検出とヒトゲノムDNA定量結果との間に関連性は認められなかったため、DCDの検出結果からDNA型検査の実施可否を推測することは困難であると考えられた。今後は、DNAと同じ角化上皮細胞に由来する検査指標を検討することが望ましいと考えられた。
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