研究課題/領域番号 |
22790609
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森下 城 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究支援者 (00375031)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 過敏性腸症候群 / 脳腸相関 / 消化管運動機能 / 脳機能画像 / ストレス |
研究概要 |
過敏性腸症候群の患者および健常者に対して、より臨床の現場に準じた新たなストレス負荷試験を作成し、その時の脳機能を、functional MRIにて評価するとともに、大腸運動機能評価(大腸バロスタット検査)も同期的に行うことで、脳腸相関(Brain-Gut interaction)をより科学的に明らかな病態として解明することを目的として研究を実行した。本年度はストレス負荷プログラム及び付随システムの構築と、健常者および患者について、検査を施行した。ストレス負荷課題ストレス負荷課題として、過敏性腸症候群特異的陰性情動刺激を考案し、独自にコンピュータ・プログラミングにて負荷刺激の作成に取り組み、fMRIのタスクとして特殊なPresentationソフトを使用し、その作成に成功。現在、fMRI装置と、バロスタット装置の同期を確立するべく、バロスタット装置の改造を行い、その実用化に成功。同実験システムの構築は、東北大学病院MRI検査室のfunctionalMRIで確立された。MRI設備は、すでに十分な運用実績を有し、そこに、画像負荷システム、バロスタットシステム、心電図、皮膚電気抵抗システムが、常時設置。被験者への対応用の部屋や、特発的事態への対応体制も救急カートをはじめとして万全の状態となった。ストレス負荷課題として、過敏性腸症候群特異的陰性情動刺激を考案し機能性MRIのタスクとして特殊なソフトを使用し作成に成功した。健常者、過敏性腸症候群患者に対して、ストレス負荷を施行。また、functionalMRIと画像タスクシステムと、バロスタット検査システム(大腸運動機能測定装置)と、心電図・皮膚電気抵抗検査システムとの同期に世界で初めて成功した
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ストレス負荷課題ストレス負荷課題として、過敏性腸症候群特異的陰性情動刺激を考案し、独自にコンピュータ・プログラミングにて負荷刺激の作成に取り組み、fMRIのタスクとして特殊なPresentationソフトを使用し、その作成に成功。現在、fMRI装置と、バロスタット装置の同期を確立するべく、バロスタット装置の改造を行い、その実用化に成功。同実験システムの構築は、東北大学病院MRI検査室のfunctionalMRIで確立された。MRI設備は、すでに十分な運用実績を有し、そこに、画像負荷システム、バロスタットシステム、心電図、皮膚電気抵抗システムが、常時設置された。functionalMRIと画像タスクシステムと、バロスタット検査システム(大腸運動機能測定装置)と、心電図・皮膚電気抵抗検査システムとの同期に世界で初めて成功した。 被験者への対応用の部屋や、特発的事態への対応体制も救急カートをはじめとして万全の状態となっている。過敏性腸症候群の患者および健常者に対して、より臨床の現場に準じた新たなストレス負荷試験を作成し、そのタスク時の脳機能を、functional MRIにて評価するとともに、脳の構造画像の撮像も行い、特にDiffusion tensor imagingを主に器質的変化を検討した。本画像刺激が、過敏性腸症候群特異的陰性情動尺度であることが実証された。
|
今後の研究の推進方策 |
ストレス負荷試験については、各刺激についての詳細な要因の分析が残っているので、その継続解析を施行すると共に、刺激そのものの精度を上昇させることを目指す。 バロスタット装置、fMRI、画像タスク、心電図、皮膚電気抵抗の同期システムが成功したため、そのシステムを用いて、健常者でのデータ収集を予定している。また、解析方法そのものの改善が見込める部分があり、その点についてもアプローチし、その後の研究へと発展させる。さらにQOL(生活の質)や、心理状態の評価などの各種データの相関解析も試みる。同時に過敏性腸症候群の患者についての検討を行う。患者については、ポスターにて過敏性腸症候群の診断基準に合致する被験者を募集する。過敏性腸症候群患者は年内4(男性2名、女性2名)を目標とする。薬物療法の介入を受けていないものを対象とする。その後、各測定要素について、健常者と過敏性腸症候群患者群との比較を進める予定である。
|