対象と方法:対象は当院小児科にてフォロー中のC型慢性肝炎患者7例。年齢は5-16歳。HCV遺伝子型は1b型1例、2a型5例、2b型1例.対象に対してPeg-IFN単独療法を施行した。治療期間は24または48週を予定した。 治療期間中に採取した血液は凝固後、直ちに遠心し、RNA抽出時まで凍結何存した。解析時、保存血清よりSepaGene(三光純薬)を用い、添付のマニュアルに従いHCV RNAを抽出した。抽出したRNA、random primer及び逆転写酵素を用い、逆転写を実施しcDNAを作成後、NS5b領域に設定したprimer及び、FastTaqを用い、nested PCR法で増幅した。増幅産物は、3%アガロースゲルで泳動後、陽性バンドからDNAを切り出した。切り出したDNA、2nd PCRで用いた2組のprimer、BigDye Kit (Applied BioSystems)にて、Sequence反応を実施し、Sequence解析装置で、目的領域の塩基配列を両方向から決定した(Direct Sequence法)。 結果:4例が治療終了。3例は現在治療中である。全例で治療開始8週後までにウィルス陰性化を得られた。平成22年度中にHCVの遺伝子解析が可能であったのは1例。この1例においては治療期間中にHCV NS5B領域に遺伝子変異を認めなかった。 考察:小児C型慢性肝炎例に対してはPEG-IFN単独療法は高い著効率が期待できる。 残り6例については平成23年度中にHCV遺伝子の解析を行う。 HCV遺伝子に変異を認めた場合には、臨床経過との関係についても検討する。
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