研究概要 |
クローン病を対象としたGenome wide association study (GWAS)のメタ解析によって、IL12Bがクローン病感受性遺伝子候補であることが示された。IL12Bが感受性遺伝子であることを確定するためには、その相関する対立遺伝子がIL12B遺伝子の機能、特に発現に影響を与えることを示さなければならない。そこで、IL12B遺伝子周囲のTag SNPを用いて、最も強く日本人クローン病と相関するハプロタイプを同定する作業を行った。日本人IL12b遺伝子を含む領域には、2つのメジャーハプロタイプ(A, B)が存在していることを明らかにした。そのうちハプロタイプAがリスクハプロタイプであり、ハプロタイプBが非リスクハプロタイプであることを明らかにした。さらに、ハプロタイプAとB由来のm-RNAの発現比を測定することで(allelic imbalance)、リスクハプロタイプはm-RNAの発現を亢進させることが、明らかとなった。そのことが、過剰な免疫反応を引き起こしている原因となっている可能性が示唆された。また、m-RNAの発現亢進を引き起こす責任SNPを確認するために、in vitroのpGL4を用いたプロモーターアッセイ用のプラスミドを作成しプロモーターアッセイを行った。その結果、pGL4に挿入した領域範囲では、転写活性に影響を示すSNPは認めることはできなかった。このことは、さらに範囲を拡大して今後プロモーターアッセイを行うか、方法を変更するべきと考えられた。
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