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2010 年度 実績報告書

新たな膵性糖尿病治療法の開発に向けた膵線維化に伴う膵島障害機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22790629
研究機関東北大学

研究代表者

菊田 和宏  東北大学, 病院, 助教 (80420024)

キーワード膵性糖尿病 / 膵線維化 / 膵島細胞 / 膵星細胞
研究概要

慢性膵炎に伴う膵性糖尿病では、膵切除標本の病理組織学的解析や膵内分泌負荷試験、実験動物モデルにおける解析などに基づいて、膵線維化と血管障害の進展に伴う膵島数の減少、インスリン分泌障害、ならびにインスリン抵抗性の関与などが報告されているが、その進展機序の詳細は明らかでない。近年、膵星細胞が膵の炎症と線維化に中心的役割を担っていることが解明されつつあるが、膵性糖尿病進展への関与については明らかでない。平成22年度は、ラット膵島細胞株RIN-5F細胞に対し、膵星細胞が与える影響について検討した。膵星細胞はWistar系雄性ラットより分離し培養により活性化したものを実験に用いた。1.0μm径の孔のあいたカルチャーインサートを用いて、ラット膵島細胞株RIN-5F細胞と活性化ラット膵星細胞を非接触下に共培養し、RIN-5F細胞の1.インスリンmRNA発現をreal time PCR法により、2.インスリン分泌をELISA法により、3.アポトーシスを細胞内ヒストン結合DNA断片化の定量により検討した。活性化膵星細胞との共培養により、RIN-5F細胞のインスリンmRNA発現は低下した。インスリン基礎分泌も低下したが、グリベンクラミドによる分泌刺激に対する反応性は保たれていた。また、活性化膵星細胞との共培養は、RIN-5F細胞のアポトーシスによる細胞死を誘導した。本検討により、ラット活性化膵星細胞はRIN-5F細胞のインスリン発現を抑制するとともにアポトーシスを誘導することが明らかになった。膵星細胞が膵島細胞に量的ならびに質的な変化をもたらすことにより、膵性糖尿病進展に関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Pancreatic stellate cells promote epithelial-mesenchymal transition in pancreatic cancer cells2011

    • 著者名/発表者名
      Kikuta K, Masamune A, et al.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 403巻 ページ: 380-384

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Calcium-binding protein S100P is a novel diagnostic marker of cholangiocarcinoms2011

    • 著者名/発表者名
      Hamada S, Satoh K, et al.
    • 雑誌名

      Cancer Sci

      巻: 102 ページ: 150-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nuclear expression of interleukin-33 in pancreatic stellate cells2010

    • 著者名/発表者名
      Masamune A, Watanabe T, Kikuto K, et al.
    • 雑誌名

      Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol

      巻: 299 ページ: G821-32

    • 査読あり
  • [学会発表] Pancreatic stellate cells induce epithelial-mesenchymal transition and proliferation of pancreatic cancer cells2010

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Kikuta, Atsushi Masamune, et al.
    • 学会等名
      第14回国際膵臓学会・第41回日本膵臓学会大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2010-07-11

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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