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2010 年度 実績報告書

ストレス応答性tra2ベータmRNAアイソフォームの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22790649
研究機関徳島大学

研究代表者

桑野 由紀  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00563454)

キーワード選択的スプライシング / 遺伝子発現 / 消化管上皮細胞 / マイクロアレイ / transformer 2 beta
研究概要

本研究では、選択的スプライシング因子Tra2βの機能解析を行い、消化管細胞において酸化ストレスにより発現が誘導される、premature termination codon(PTC:中途終止コドン)をコードするtra2β4RNAバリアントの生理学的役割を解明することを目的とした。PTCをコードする約200塩基のエクソンは、進化の過程で齧歯類以降にトランスポゾンとして組み込まれた"ultraconserved element"であり、種を越えて保存されている。tra2β4のexon 2を特異的にノックダウンした大腸上皮細胞株HCT116細胞では3,000以上の遺伝子発現が変化し、G1/S期での細胞周期の停止、細胞増殖の低下が認められた。これらのことより、タンパク質に翻訳されない、ストレス誘導性PTCバリアントであるtra2β4mRNAに着目し、exon2領域に相互作用する因子の同定(RNA結合タンパク質・マイクロRNAの関与)を行い、tra2β遺伝子のexon2領域を介した新規RNAネットワークの制御機構の解明を目指した。
平成22年度の研究において、1)大腸上皮細胞株HCT116細胞におけるtra2βノックダウン実験系により、tra2βは抗アポトーシス因子bcl-2 mRNAの転写後調節に関与し、アポトーシス耐性を示すこと、2)tra2β4mRNAは細胞老化関連因子群の発現調節を介し細胞老化に関与すること、3)tra2β遺伝子のプロモーター解析により、酸化ストレス応答により転写調節を受ける領域と転写因子HSF1の関与すること、を見出したtra2β遺伝子は、tra2βタンパク質に翻訳されるtra2β1 mRNAと、機能性RNA分子として作用するtra2β4mRNAが、それぞれ異なった作用機序を介し細胞機能調節を行っているという重要な知見を得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Brief naturalistic stress induces an alternative splice variant of SMG-1 lacking exon 63 in peripheral leukocytes.2010

    • 著者名/発表者名
      Kurokawa K, et.al
    • 雑誌名

      Neurosci Lett.

      巻: 484 ページ: 128-32

    • 査読あり
  • [学会発表] 大腸がん由来細胞株におけるTransfomer 2 βの酸化ストレス応答の解明2010

    • 著者名/発表者名
      桑野由紀
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      2010-12-08
  • [学会発表] Alternative splice variants of SMG-1 as a potential marker for brief naturalistic stressors in peripheral leukocytes.2010

    • 著者名/発表者名
      桑野由紀
    • 学会等名
      The 7^<th> world congress on stress
    • 発表場所
      ライデン(オランダ)
    • 年月日
      2010-08-25
  • [学会発表] The mechanism of transfomer 2-β gene expression in response to oxidative stress in human colon epithelial cells2010

    • 著者名/発表者名
      桑野由紀
    • 学会等名
      Digestive Disease Week 2010米国消化器病学会
    • 発表場所
      ニューオーリンズ(アメリカ)
    • 年月日
      2010-05-02

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公開日: 2012-07-19  

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