1.HBV genotype Cの野生株からのHBX蛋白とそのプロモーターを導入したトランスジーンを導入したマウス(wild TGマウス)を解剖し検討した。系統(1)35匹:平均週令83±10、平均HBxmRNA/GAPDH-mRNAO.45/腺腫2匹、肝癌0匹。系統(2)6匹:平均週令83+7、平均HBxmRNA/GAPDHmRNAO.21/腺腫0匹、肝癌0匹。 2.1のHBX蛋白を肝癌患者にみられた変異(130M、131I)を導入したマウス(WM TGマウス)を解剖し検討した。系統(1)7匹:平均週令85±9、平均HBxmRNA/GAPDHmRNA0.20/腺腫0匹、肝癌1匹。系統(2)36匹:平均週令82±5、平均HBxmRNA/GAPDHmRNA 0.31/腺腫0匹、肝癌1匹。 3.1のHBX蛋白を肝癌患者にみられた複数の変異(94Y、130M、131I)を導入したマウス(MM TGマウス)を解剖して検討した。系統(1)49匹:平均週令83±6、平均HBxmRNA/GAPDHmRNA0.04/腺腫0匹、肝癌2匹。系統(2)19匹:平均週令84±8、平均HBxmRNA/GAPDHmRNA0.03/腺腫1匹、肝癌0匹。系統(3)14匹:平均週令79土2、平均HBxmRNA/GAPDHmRNA O.003/腺腫0匹、肝癌0匹。 Wild TGマウス中ではHBxmRNAの発現量が高い系統から腺腫が出現したが癌は認めなかった。WM TGマウスではHBxmRNAの発現量がwildと比べやや少ないにもかかわらず、肝癌が出現した。MM TGマウスではwildやWMの10分の1のHBxの発現量であったにもかかわらず発癌がみられた。上記のアミノ酸変異をもつHBx蛋白は病原性が高いと推測される。
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