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2012 年度 実績報告書

肝炎ウイルスの3次元新規培養系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22790664
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

村上 周子  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50454848)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード肝炎 / ウイルス / 感染症 / 3次元培養 / 細胞・組織
研究概要

培養肝細胞は3次元化して培養し組織化させることでアルブミン産生や脂質代謝など肝組織に近い性質が得られること、一般的な単層の細胞培養と比較してウイルスと細胞の親和性が高いことが知られている。以上の背景よりB型肝炎ウイルス(HBV)の3次元培養系確立を目的としている。
ヒト肝細胞キメラマウスの肝組織より単離した肝細胞を用い、特殊なパターンプレートにより細胞を3次元化させるスフェロイドアレイ培養系ついて、HBVの感染・複製の可能性を単層培養と比較検討した。人工的に作出したHBV粒子、ウイルス粒子を含むHBV感染患者血清あるいはキメラマウス血清を感染源として、培地に添加してHBVを感染させた(10^4-6 copies/ml)。経時的に培養上清を回収後、HBs抗原量、コア関連抗原量、HBV-DNA量を測定し感染を確認した。その結果、スフェロイドの形状は約1ヶ月間維持され、単層培養も1ヶ月間は安定であった。培養期間を通じた上清中のHBV-DNA量は10^5-6 copies/mlであり、長期培養下で感染の持続を確認した。また、HBs抗原、コア関連抗原の増加を認めた。3次元培養系において上清中のHBs抗原量は単層培養系よりも高値であったが、人工的に作出したウイルス粒子を感染源とした場合、いずれの培養環境でもHBs抗原量は低値であった。複数のHBV感染患者血清を感染源とした場合、添加するウイルス量が同一であっても各感染源で上清中のHBs抗原量に差が認められ、感染効率にはウイルス量の他に影響を与える因子があると考えられた。さらに、感染源と同時に核酸アナログ製剤であるエンテカビル(ETV)を添加した結果、HBV-DNA量の抑制が認められたことから、新規抗ウイルス薬の検討試験への応用も期待できる。以上より、ヒト肝細胞キメラマウスの肝細胞によるHBVの3次元培養系は、非常に有用なモデルである。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Mechanism of the Dependence of Hepatitis B Virus Genotype G on Co-infection with Other Genotypes for Viral Replication.2013

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto T.
    • 雑誌名

      Journal of Viral Hepatitis

      巻: 20 ページ: e27-36

    • DOI

      10.1111/jvh.12022

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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