研究課題
クローナルコンペティションの腸炎病態形成への関与を観察するために(1)CD4CD45RBhi adoptive transfer model(CD45RBhiマウス),IL-10 KOマウスという2種類の腸炎モデルマウスの腸管CD4 T細胞をRag2KOマウスに共移入し異なる2種類のT細胞クローン間での競合を観察した。その結果、共移入したマウスではCD45RBhiマウスの様な著明な腸管肥厚を伴う腸炎の形態を示す一方で、体重減少に関してはむしろIL-10 KOマウスに類似した両者のマウスの中間型の表現形を示した。さらに、Th1優位なcD45RBhiマウス由来のIFNγ産生細胞は減少、Th1/Th17混合型であるIL-10 KOマウス由来のIFNγ産生細胞およびIL-17産生細胞の減少を認め、クローナルコンペティションの結果サイトカイン産生細胞の減少および腸炎の表現形の混和を認めた。(2)cD45RBhiマウスに腸炎発症後のIL-10 KOマウスを並体結合したところ、両者の腸炎の改善を認めた。腸管粘膜固有層におけるT細胞は並体結合の結果減少し、また両者由来のT細胞の混和を認めていた。以上より先述のクローナルコンペティションによるサイトカイン干渉の結果腸炎の改善を認めた可能性が示唆された。(3)cD45RBhiマウスに野生型および腸炎未発症のIL-10 KOマウスを並体結合したところ、cD45RBhiマウスの腸炎の著明な改善を認めた。しかしながら、IL-10 KOとマウス並体結合したcD45RBhiマウスでは腸炎の改善が野生型マウス並体結合群より劣っていたことからクローナルコンペティションにIL-10の関与があるが、関与は大きくないことが示唆された。
すべて 2010
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