• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

肝癌幹細胞における発癌、進展制御メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22790674
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

及川 恒一  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20514491)

キーワード癌幹細胞 / 肝癌 / 転写因子 / 腫瘍形成
研究概要

近年、腫瘍はheterogeneousな集団からなり、癌幹細胞やcancer initiating cellが腫瘍形成に関与するという報告が多くなされている。肝癌においてもこれらのマーカーとしてside popuiation,EpCAM,CD133,CD90,CD13などが明らかとされてきているが、肝癌発生や進展を担う詳細なメカニズムは依然として不明である。ジンクフィンガー蛋白質であるSALL4は胎児発生や器官形成に重要な役割を果たしている。さらに近年、somatic cellの多分化能の維持やreprogramingを担う因子の一つであることが明らかにされている。我々は以前Sall4のマウス肝幹・前駆細胞での発現と肝発生過程における分化制御への関与を明らかにした。また近年、oncogeneとして腫瘍発生に関与していることが明らかになっているが、肝癌での詳細は不明である。そこで肝癌におけるSALL4の関与について検討するため、ヒト肝癌細胞株にウイルスおよびshRNAシステムを用いた遺伝子導入を行いSALL4遺伝子の強制発現またはノックダウンすることで機能解析を行った。In vitro培養系で肝癌細胞株においてSALL4遺伝子の強制発現により増殖が亢進し、またノックダウンにより増殖が有意に抑制された。SALL4による増殖はアポトーシスの関与はほとんど認められず、細胞周期関連遺伝子CyclinD1,CyclinD2を介して制御させていることを明らかにした。またヌードマウスへのin vivo移植実験でコントロール群に比べSALL4遺伝子ノックダウン群で、腫瘍形成が有意に抑制された。以上よりSALL4はヒト肝癌細胞株において増殖を制御し、腫瘍形成能に重要な役割を果たす可能性が示唆された。SALL4遺伝子のノックダウンは将来、肝癌の治療に臨床応用できる可能性を示唆する結果であると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ヒト肝癌細胞株におけるSALL4の関与2011

    • 著者名/発表者名
      及川恒一、紙谷聡英、西野博一、銭谷幹男、中内啓光、田尻久雄
    • 学会等名
      第18回肝細胞研究会
    • 発表場所
      東京・東京ガーデンパレス
    • 年月日
      2011-06-25

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi