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2010 年度 実績報告書

筋線維芽細胞を標的とした腸管狭窄薬物治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22790677
研究機関福岡大学

研究代表者

倉原 琳  福岡大学, 医学部, 講師 (00341438)

キーワード炎症性腸疾患 / TNFα / PGE2 / 腸管狭窄 / TRPC1 / Ca^<2+> / NF-κB / 線維化
研究概要

本研究は腸管組織線維化調節のセンサー蛋白質と考えられる筋線維芽細胞TRPチャネルを標的として、筋線維芽細胞の増殖、遊走、炎症性サイトカイン産生、extracellular matrix制御機構の解明とともに、腸狭窄の内科的治療法を探ることを目的とする。
ヒト筋線維芽細胞株CCD18Co細胞にはTRPC1,C3,C4,C5,C6 ; TRPV2,V3,V4,V5,V6 ; TRPM1,M3,M4,M6,M7のmRNAの発現が確認された。筋線維芽細胞において前述の線維化に関わる分子の多くはCa^<2+>により発現が制御される。本年度の研究成果として、炎症メディエーターTNFαで培養ヒト筋線維芽細胞CCD18Coを刺激した時に、TRPC1の蛋白発現およびTRPC1をするCa^<2+>流入が増加し、Ca^<2+>依存性転写因子NF-κBの核移行を抑え、COX-2の発現を抑えることによりその下流にあるPGE2産生を有意に抑制する働きがあることが明らかとなった。この研究成果をまとめた論文は、学術誌AMERICAN JOURNAL OF PHYSIOLOGY-GASTROINTESTINAL AND LIVER PHYSIOLOGYに掲載が認められた。
COX-2やPGE2の生体内における様々な生理作用を考えると、腸管筋線維芽細胞TRPC1チャネルは線維化のみならず、炎症や発癌にも大きく関わる因子であることが示唆された。この実験結果は、筋線維芽細胞がもたらす腸管炎症の増悪や治癒の両方向におけるシグナル伝達経路の解明に繋がり、炎症性腸疾患IBD時の線維化治療に用いる新しい薬物のスクリーニングを行うにあたって重要な手掛りとなる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Counteracting effect of TRPC 1-asscoiated Ca^<2+> influx on TNF α induced COX-2-dependent prostaglandin E_2 production in human colonic myofibroblasts2011

    • 著者名/発表者名
      Lin Hai, Yasuhiro Kawarabayashi, Yuko Imai, Akira Honda, Ryuji Inoue
    • 雑誌名

      AMERICAN JOURNAL OF PHYSIOLOGY -GASTROINTESTINAL AND LIVER PHYSIOLOGY

      巻: (掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] シンポジウム「ストア作動性カルシウム流入活性化機構とその生理的役割」消化管筋線維芽細胞におけるTRPC1/SOC/NF-κBシグナル伝達を介したCOX-2発現の制御2010

    • 著者名/発表者名
      倉原琳
    • 学会等名
      第87回日本生理学会大会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      2010-05-21

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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