研究概要 |
検討-Iとして、「心房細動と心臓交感神経機能の関連を明らかにする」ことを掲げた。心臓MIBGの洗い出し率(WR)は、洞調律群と比較して心房細動症例で亢進しており、発作性心房細動よりも持続性心房細動で亢進が著明であった。1)心房細動では心臓交感神経機能が亢進していること、2)疾患の進行と共に亢進することが示唆された。器質的心疾患を含まない検討であるため、心房細動そのものが心臓交感神経機能亢進に関与していることを示唆された。 検討-IIIとして、「心筋焼灼術後の早期再発と薬剤の効果について検討する」ことを目標にした。心房細動に対する心筋焼灼術後の急性期再発と心臓MIBGのWRについて検討したところ、急性期再発群では、有意に心臓交感神経機能が亢進していた(再発ありvs.なし:32.7±5.8%vs.26.3±8.1%,P=0.02)。また心臓MIBGのWRが1%高くなるごとに、急性期再発の危険性が高くなることが判明した(HR1.10,95%CI1.01-1.20,P=0.03)。急性期再発を予防するために、ベータ遮断薬が有効な可能性がある。 検討-IVとして「心臓交感神経機能と慢性期の心房細動の再発との関連を明らかにする」ことを目標にしている。前述の検討-I,-IIIは共に、心房細動に対する心筋焼灼術を行った症例が対象である。まだ途中経過だが、慢性期の心房細動再発とMIBGのWRには関連がありそうである。
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