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2011 年度 実績報告書

マクロファージの分化/機能におけるアンジオテンシンII1型受容体の役割

研究課題

研究課題/領域番号 22790707
研究機関愛媛大学

研究代表者

鈴木 純  愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40452693)

キーワードマクロファージ / 動脈硬化 / プラーク破綻 / アンジオテンシンII / 受容体
研究概要

IgGオプソニン化した赤血球の貪食能を検討した結果、ApoE KOマウスに比しApoE/AT_<1a> KOで赤血球の貪食能が有意に低下していた。酸化LDL刺激によってマクロファージの遊走能が低下し、動脈硬化組織内にマクロファージがtrappingされることで持続炎症や組織破壊が惹起され、動脈硬化の進展やプラークの脆弱化を来すことが推測されている。本研究では、酸化LDLによるマクロファージの遊走能に及ぼすAT_<1a>受容体の役割についても検討した。MCP-1刺激による遊走能はApoE KO、ApoE/AT_<1a>KOマクロファージで差を認めなかったが、酸化LDL刺激によってApoE KOマクロファージの遊走能は著しく低下したのに対し、ApoE/AT_<1a> KOマクロファージでは酸化LDL刺激による遊走能の低下が回避されていた。酸化LDL刺激によってマクロファージの遊走能が低下するメカニズムとして、酸化LDLがスカベンジャー受容体であるCD36を刺激することでFAK (focal adhesion kinase)の活性化を引き起こすことが報告されている。そこで、CD36の蛋白発現およびFAKのリン酸化を検討したところ、ApoE/AT_<1a> KOマクロファージではApoE KOマクロファージに比し酸化LDL刺激によるCD36の蛋白発現が減弱しており、FAKのリン酸化も抑制されていることが判明した。以上の結果より、AT_<1a>受容体刺激はマクロファージの極性を炎症性(M1)に誘導させ、持続的な炎症をもたらすことで動脈硬化性プラークの脆弱化にはたらくことが示唆された。また、AT_<1a>受容体刺激はマクロファージの貪食能を活性化し、容易に泡沫化を起こしうる可能性が示唆された。さらに、AT_<1a>受容体刺激はスカベンジャー受容体であるCD36の発現を亢進させ、FAKの活性化を介してマクロファージの遊走能を減弱し、動脈硬化巣内に留まらせることによって更なる持続炎症・組織破壊をもたらし、動脈硬化性プラークの脆弱化に寄与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Deletion of the Angiotensin II Type 1a Receptor Prevents Athero sclerotic Plaque Rupture2012

    • 著者名/発表者名
      Jun Aono, Jun Suzuki, et al
    • 雑誌名

      Arterioscle Thromb Vasc Biol

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 動脈硬化の進展とレニン・アンジオテンシン系2011

    • 著者名/発表者名
      青野潤、鈴木純、大木元明義、檜垣實男
    • 雑誌名

      愛媛医学

      巻: 30巻 ページ: 86-90

  • [学会発表] 動脈硬化性粥腫破綻におけるアンジオテンシンII1型受容体の役割~動脈硬化性粥腫破綻マウスモデルを用いた検討2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木純
    • 学会等名
      第34回日本高血圧学会総会、高血圧関連疾患モデル学会合同シンポジウム
    • 発表場所
      栃木県総合文化センター(栃木県)
    • 年月日
      2011-10-22

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公開日: 2013-06-26  

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