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2011 年度 実績報告書

下肢虚血、皮膚損傷後の治癒促進療法

研究課題

研究課題/領域番号 22790710
研究機関九州大学

研究代表者

得能 智武  九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (50567378)

キーワード創傷治癒 / 成長因子 / IGF-1
研究概要

傷害された組織の修復過程において、成長因子や、ケモカインが重要な役割を果たしていることが以前から数多く報告されている。私は、これまでにインスリン様成長因子(IGF-1)やStromal cell derived factor-1 (SDF-1)を使用し、効率よく、傷害組織にこれらの成長因子やケモカインを留めることで、組織の修復を促進させることを報告した。成長因子やケモカインを局所のみで使用することは全身的な副作用が少なく、また組織の修復に極めて有用な方法と考えている。
そこで、ヘパリン結合部位を有する新しいIGF-1蛋白を合成した。通常のIGF-1は、受容体に結合する以外、細胞膜に留まる事はないが、この蛋白を使用するとin vitroでは細胞表面にIGF-1が長期間留まる事を示した。これは細胞膜上で負に荷電したヘパラン硫酸などのプロテオグリカンと弱く結合しているためと考えられた。Ex vivoでもプロテオグリカンを多く有する軟骨組織では通常のIGF-1と異なり、組織中に約1週間留まり、1回の投与でIGF-1の効果が持続することが分かった。In vivoの実験では下肢虚血モデルにおいて、同様の手法により、新規IGF-1による長期間に及ぶ血管新生増強効果を期待した。しかし、in vivoでは長期間IGF-1が留まる事は観察できなかった。軟骨組織と比較するとプロテオグリカンが少ないため、蛋白の細胞表面への接着力が弱かったことや、蛋白が分解を受けやすかったことが要因と考えている。蛋白を保護して組織へデリバー出来るシステムを検討する必要があると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Inhibition of prolyl hydroxylase domain-containing protein downregulates vascular angiotensin II type 1 receptor2011

    • 著者名/発表者名
      Matsuura H, Ichiki T, Ikeda J, Takeda K, Miyazaki R, Hashimoto T, Narabayashi E, Kitamoto S, Tokunou T, Sunagawa K
    • 雑誌名

      Hypertension

      巻: 58 ページ: 386-393

    • 査読あり
  • [学会発表] 飽和脂肪酸によって惹起されるマクロファージの小胞体ストレスおよびアポトーシスに対するPPARγ作動薬の効果2011

    • 著者名/発表者名
      池田次郎, et al
    • 学会等名
      第7回西日本血管・機能研究会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2011-08-06

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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