・内因性心臓交感神経刺激細胞の起源の解析 従来の研究では内因性心臓交感神経刺激細胞が発生初期の心臓の拍動に必須であることは明らかにされているものの、いずれの部位を起源とするかは明らかとはなっていなかったがm本研究では内因性心臓交感神経刺激細胞が神経堤由来であることを、PO-Cre x Floxed-GFPのダブルトランスジェニックマウスを用いて明らかにした。またトランスジェニックマウスの心臓の細胞をフローサイトメトリーで解析することにより内因性心臓交感神経刺激細胞への増殖・分化の割合を解析することができた。 ・内因性心臓交感神経刺激細胞の増殖・分化誘導因子の解析 本研究で内因性心臓交感神経刺激細胞の増殖・分化を促進する因子に関する検討も行い、因子Xがinvivoでの検討において増殖・分化を促進する因子であることを同定した。 ・内因性心臓交感神経刺激細胞の機能解析 本研究では移植心において内因性心臓交感神経刺激細胞が生理的に意義のある作用を持っているかどうかを検討するため、移植マウスにおいてMIBGシンチグラフィーに加えてランゲンドルフ還流モデル下でカテコールアミン分泌誘導物質による負荷を行い、収縮力および心拍数が増加が内因性心臓交感神経刺激細胞の発達と相関することを確認した。 以上の内容を現在論文投稿中であり、さらに現在ヒトの移植後の心臓の検体を用いて実際にヒトにおいても心臓移植後に内因性心臓交感神経刺激細胞が増加し、交感神経作用を担っていることを確認中である。国内の心臓移植実施施設において移植後の心臓の生検検体のうち臨床で用いた後に免疫組織学的に解析を行い、ヒトにおいても移植心に内因性心臓交感神経刺激細胞が存在すること検討している。
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