研究概要 |
高い画像解像度を有するOptical Coherence Tomography (OCT)を用いて用尿秒患者に多いが、今まで検出が困難とされてきた不安定冠動脈粥腫の主体である、脂質コアの正確な検出と薄い繊維性被膜を定量的に測定し、それら将来の急性冠症候群発症に寄与すると推測される冠動脈プラーク成分が積極的血糖値コントロールにてどのまうに変化するかを調べる目的で本研究を行っている。現在のところ70人の急性冠症候群患者を登録し、冠動脈責任病変以外の冠動脈3枝すべてにOCTおよび血管内超音波検査(IB-IVUS)を施行することができ、解析可能なOCTおよびIB-IVUSデータを得ることができた。また、全ての登録患者の血中high sensitive CRP濃度やInterleukin 6濃度を測定することができた。Baselineの手技で得られたOCTデータを解析すると、70人の急性冠症候群患者に合計162の薄い繊維性被膜を有する冠動脈不安定プラーク(Thin-cap fibroatheroma : TCEA)を検出した。TCFAの冠動脈内分布を糖尿病患者と非糖尿病患者で比較検討したところ、責任病変におけるTCAFの頻度は糖尿病患者と非糖尿病患者で差はないものの、非責任病変におけるTCEAは糖尿病患者において非糖尿病患者に比べ有意に多く分布していた。これらの内、22人の糖尿病患者を積極的血糖コントロール群(HbA1c<6,5%)と通常コントロール群に無作為に振り分けて現在18ヶ月後のFollow-upが始まるところである。本年度は登録した患者全てに対して18カ月後に再度OCTおよびIB-IVUSを行い、プラーク体積、繊維性被膜厚、Lipid poolの最大角度の変化を観察する予定である。
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