研究課題
若手研究(B)
ヒト心不全症例において免疫反応の中心を担う「樹状細胞」に焦点をあてヒト心不全症例で検討を行なった。心不全の病態と樹状細胞の数、活性化マーカーは相関していた。さらに樹状細胞の動態は心機能や心筋障害の指標とも相関し、予後とも関連していた。マウスにおいて樹状細胞に心筋特異的蛋白を認識させ投与すると、自己免疫性心不全を発症することを明らかにした。この心不全モデルマウスにシンバスタチンを前投与すると、炎症、心不全の程度の改善を認めた。マウスの樹状細胞を培養し、シンバスタチンを前投与して活性化させたところ、樹状細胞の活性化マーカー、及び炎症性サイトカインの著明な抑制を認めた。以上の結果より、心不全の病態形成に炎症を介した樹状細胞の関与が示唆され、スタチン投与により樹状細胞を抑制し、心不全治療の新たな標的となりうる事が示唆された。
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Int J Cardiol
巻: 147 ページ: 258-264